卒寿ってどんなお祝い?

卒寿の他にも呼び名がある!?
実は、卒寿には他の呼び方もあります。囲碁に詳しい方はご存じかもしれませんが、卒寿は「星寿(せいじゅ)」とも呼ばれることがあります。 囲碁の正式な基盤には、縦横に19本ずつの線が引かれています。そして、361個の交点があり、星と呼ばれる黒い9つの点があります。この9つの点にちなんで、卒寿は星寿とも呼ばれています。卒寿を祝うタイミング
卒寿は、数え年で90歳を祝うお祝いです。しかし、この数え年というのが、現代人にとっては分かりにくく混乱してしまいがちですよね。 現代は、卒寿のお祝いは数え年ではなく満年齢で90歳を迎えた時でも問題ないとされており、実際に満年齢で行う家庭が非常に多くなっています。数え年と満年齢
数え年は、日本から古く伝わる年齢の数えかたです。90歳の卒寿を迎える方の多くは、数え年で年齢を数えていた方も多いでしょう。 数え年では、生まれた瞬間を1歳とします。そして、お正月に国民全員が1歳年をとります。ですから、例えば12月31日に生まれた場合、翌日には2歳になるということ。今ではなかなか信じられないことですね。 一方で、満年齢は生まれた瞬間を0歳とし、誕生日を迎える度に1歳年を重ねる数えかたですね。今は満年齢で数える方法が主流です。皆が集まれるタイミングがベスト
卒寿のお祝いは、できれば家族みんなで行いましょう。卒寿を迎える方の中には、会いたくても自分から会いに行けない状態の方もたくさんいらっしゃいます。核家族化がすすみ、子や孫と同居する家庭が少なくなった現代では、家族みんなでワイワイとした時間を過ごすことも少なくなっているのではないでしょうか。 特に、卒寿を迎える方であれば、家族みんなで同じ時間を楽しく過ごすことこそが宝物だという人もいます。ぜひ、お祝いの日には駆けつけて一緒に楽しみましょう。 卒寿のお祝いは、誕生日に行わなければならないという決まりはありません。誕生日に近い休日や大型連休、敬老の日、正月など、離れていたり仕事が忙しかったりしても集まりやすいタイミングがベストです。 もし、誕生日以外の日にお祝いを行う場合であっても、誕生日にはきちんとお祝いの言葉を伝えましょう。電話でも構いません。こうすることで、卒寿のお祝いを楽しみにしている方ががっかりせずに済みます。卒寿のシンボルカラー
長寿祝いには、それぞれシンボルカラーがあります。還暦の赤色は多くの方が知っているのではないでしょうか。 卒寿の場合、シンボルカラーは紫です。70歳の古希、77歳の喜寿も紫がシンボルカラーとなっています。紫は、長寿祝いによく用いられる色なのですね。紫はもともと貴重な色だった
紫と聞くと、あまり良くないイメージを持つ方もいるかもしれませんね。しかし、紫はとても高貴な色とされてきました。例えば、冠位十二階での最も高い位は濃い紫色、その次の位は紫といったように、位の高い人に相応しい色として認識されていました。 昔は、紫色の染料はとても取りにくく、貴重な色であったといいます。 現代でも、学術や芸術で貢献した人には「紫綬褒章」が与えられるように、紫色にはおめでたい場面で用いられています。 こうしたことから、紫は昔から高貴な人に贈られる色として知られており、卒寿を迎える方へのプレゼントは紫色のものを贈ることが定番となっています。卒寿のお祝いの仕方とポイント

食事会を開く
食事会を開く場合、卒寿を迎える方の状態をまず考えて、無理のない方法で行うようにしましょう。 90歳ともなると、体力が低下して長時間座っていることが難しくなったり、外出が難しくなることもあります。病気や障害、体力等を考えた上で、適した場所を選ぶ必要があります。 外食のメリットは、非日常を感じられること、手の込んだ料理や珍しい料理が食べられることなどがあるでしょう。食事会の準備にかかる手間が発生しない点もポイントです。 しかし、介護が必要な状態にあるなど、状態によっては外出が困難な人にとっては十分に安全性が確保できるかどうか検討しなくてはなりません。 一方で、自宅で食事会を開く場合は、好きな時に休息をとりながら無理のない範囲で行うことができます。介護が必要な方であっても、慣れ親しんだ自宅であればリラックスして過ごすことができます。料理の準備やセッティングなどの準備が必要となりますが、家族が揃っていれば協力しながら進めていくことができます。用意する料理や食材にも注意
卒寿を迎える方の持病によっては、食べられない食材があるかもしれません。また、塩分や糖分の制限がある可能性も考えられます。 食事会を開く際は、治療の様子や病状をよく知る家族が手配するか、本人に十分に確認をとった上で進めていくことが大切です。 また、歯の具合によって、固いものが食べられないなどの可能性も考えられます。どのくらいの固さのものが食べられるのかも聞いておくと良いでしょう。入院中・入所中の方へのお祝いは
病院に入院中であったり、介護施設に入所中の方については、病院や施設と相談しながら進めていく必要があります。外出許可がおりるかどうか、病院や施設で提供される食事以外のものが食べられるかどうかなど、勝手に判断せず相談しながら行うことが大事です。 もし、病状や身体状況によって外出が困難であっても、お祝いする方法はあります。面会ルームなどを借りて、無理のない範囲でお祝いしましょう。豪華な食事会は開けなくても、ちょっとしたデザートなどでお祝いできないかどうか、相談してみてはいかがでしょうか。プレゼントを渡す
食事会に参加できなくても、プレゼントを贈ってお祝いする方法があります。職場でお世話になった人へのお祝いや、恩師など家族以外の大切な人が卒寿を迎えた時にもお祝いしやすい方法ですね。 プレゼント選びには、いくつかのポイントがあります。詳しくは、以下でご紹介していきます。卒寿のプレゼント選びのポイントとコツ

卒寿祝いの予算は?
結論からいうと、卒寿祝いの予算は人それぞれで、いくらぐらいが正解、というものはありません。おおよその目安としては、1万円~3万円程度で用意される方が多いようです。もちろん、お祝いの方法やプレゼントの内容、一緒にお祝いする人の人数によって予算は変わってきます。記念や思い出に残るものを
卒寿のお祝いの楽しい気持ちや嬉しい気持ちが思い出として残るようなプレゼントが喜ばれます。消耗品や食べ物であっても、メッセージカードを添えれば形として残りますよね。大切なのは、卒寿を迎える方への労いや尊敬の気持ち、感謝の気持ちが伝わることです。プレゼントの品物によっては、メッセージが入れられるものもありますので、必要に応じて選んでみてはいかがでしょうか。紫にこだわるべき?
卒寿のシンボルカラーは紫ということをご紹介しました。確かに、卒寿祝いのギフトを選ぶ時、紫色のものをよく見かけますよね。卒寿のプレゼントには紫色のものを選ぶことが定番化していますが、必ずしも紫にこだわる必要はありません。 大切なのは、本人の好みです。紫色が好みでない場合には、無理に選ぶ必要はありません。品物によっては、紫色ものを見つけにくい場合もあります。こうした時は、ラッピングのリボンやシールなどに紫をさりげなく取り入れるのも良いでしょう。実用性の高いものを選ぶ
年を重ねると、必要のないものは徐々に処分し身の回りをコンパクトに整理したいと考える人が多いです。終活という言葉が流行したように、今は自らの最期を自分で考える時代です。タンスや押し入れに仕舞いっぱなしのものを少しずつ整理している高齢者は多いです。 ですから、出来れば卒寿のお祝いをするのであれば、毎日の生活が楽しくなるような実用的なものがおすすめです。機能やデザインが豊富な品物は、本人が使いやすいかどうかを意識して選びましょう。これだけは避けるべきNGプレゼントとは
卒寿に限らず、お祝いのプレゼントとして相応しくないとされるものはいくつかあります。一見、実用性が高く便利なものであっても、縁起が悪いとされていたり失礼にあたるものは避けましょう。「老い」を感じさせるもの
90歳になると、杖やシルバーカーといった歩行補助具が必要になる方も多いですね。転倒を予防し安全に移動するために、これらの歩行補助具は便利です。その他にも、老眼鏡や補聴器など、老化によって必要となるものはいくらかあります。今現在、実際に使っているものであったとしても、こうした老いを感じさせるものはプレゼントに相応しくないとされているため注意が必要です。「死」や「苦」を連想させるもの
シクラメンや櫛(くし)といったように、読み方から死や苦を連想させるものは避けた方が良いです。また、香典返しによく用いられる緑茶や、黒一色あるいは黒と白の品物も避けましょう。首からポトッと落ちる椿の花やお葬式によく用いられる菊の花も相応しくありません。踏みつけるもの
靴下や靴など踏みつけるものはお祝いのプレゼントに適していないとされ、失礼にあたるため注意しましょう。寝具については意見が分かれる
もともと、寝具については「寝たきり」を連想させるため長寿祝いには良くないとされてきました。しかし、実際には長寿祝い用のパジャマや布団を取り扱うお店もあり、悩んでしまう人もいるでしょう。上質な寝具は寝心地のよさにもつながり、特にベッドで休む時間が長い人にとっては、実用性が高く喜ばれるプレゼントになるかもしれません。このように、古くからの言い伝えと人それぞれの価値観は違ってくるものもあるため、贈られた本人の気持ちを最優先して選ばれることをおすすめします。卒寿祝いで喜ばれる人気のプレゼント

フラワーギフト
お祝いの席には定番とも言えるギフトです。生花でももちろん喜ばれますが、特に卒寿祝いにおすすめなのはプリザーブドフラワーのアレンジメントです。プリザーブドフラワーは、生花を特別な方法で加工したもので、水やりをしなくても長時間美しい状態を保ちます。ボックスや花時計などに既にアレンジメントされているため、そのまま飾れる点も魅力。病院入院中や介護施設に入所中であっても、花粉や匂いが出ないため周囲に迷惑がかかりません。お酒
自宅で生活しておられる方には、お酒のプレゼントもおすすめです。特に、毎日の晩酌を楽しみにしている方には喜ばれるでしょう。誰もが知るような銘酒やちょっと高価なもの、入手しずらいものなどを選ぶと特別感が増します。また、オリジナルのメッセージや名前をラベルに入れてもらえる名入れ酒がとても人気です。写真撮影・フォトフレーム
卒寿の記念日の様子を写真にとり、飾っておけるようにフォトフレームをプレゼントするのもおすすめです。もし無理がなければ、写真館に出向いてプロに撮影してもらうのも良い記念となるでしょう。家族旅行
卒寿を迎える方の体調や身体状況にもよりますが、自宅から少し離れた場所に旅行に行くのも良いですね。旅行と言えば大袈裟かもしれませんが、日帰りで無理なく帰ってこられる範囲で出掛けて美味しい食事をとるだけでも喜ばれます。移動手段やスケジュールは、卒寿を迎える方を中心に検討しましょう。趣味にちなんだもの・外出が楽しくなるもの
高齢になると、何となく気力がわかなくて趣味や外出を楽しむ時間が減ったという人も多くなります。散歩が日課であればスカーフや帽子など、実用的なアイテムをプレゼントすると毎日が楽しく過ごせるきっかけになるかもしれませんね。2020年新型コロナウイルス発生以降の卒寿祝いはどう祝う?
2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、人々の生活が大きく変化することとなりました。オリンピックの延期、テレワークの推進、外出の自粛など、想像したことのない世の中になったと感じている人もいるでしょう。 残念ながら新型コロナウイルスによって重症化し、命に関わる事態となる人も多くいらっしゃいます。卒寿を迎える方と生活を共にしている家族の方は、特に注意深く予防されていることでしょう。 新型コロナウイルスの感染リスクがあるうちは、ここでご紹介したお祝いの方法が必ずしも正しいとは言えません。例えば、外出をしてプレゼントを選ぶこと、家族みんなで外食すること、旅行に出掛けること、離れて暮らす家族が駆けつけてお祝いすること…。 残念ながら、これらの方法は、新型コロナウイルスの感染予防の観点からいうと適切ではないと言わざるをえません。 何よりも大切なのは、卒寿を迎える方やお祝いしたいと思う方の健康です。安全性が低いうちは、感染リスクをできるだけ低くすることを優先しましょう。外出を伴うお祝いを予定されていた方は、安全な状態になるまで延期されることを強くおすすめします。自宅で安全にお祝いできる方法はある!
新型コロナウイルスの感染予防をしながら、自宅で卒寿祝いできる方法はあります。これまでにご紹介した方法とは少し異なりますが、出来ることを無理なく行いましょう。 食事会を開く場合は、テイクアウトやお取り寄せを利用してみてはいかがでしょうか。もちろん、離れて暮らす家族が駆けつけることはできないため、ビデオ通話で顔を見ながらお祝いの言葉を伝えるのもおすすめです。プレゼントはインターネットで注文し自宅に届くようにすれば外出の必要はありません。2020年の卒寿祝いのプレゼントは記念日新聞の名入れ酒がおすすめ!
