退職は新しい人生のはじまり

退職祝いのタイミング
退職祝いを渡すタイミングについてですが、まず会社の上司や同僚などの場合、退職の辞令が発表されてから渡すのがマナーです。 辞令が出てから1週間~2週間のうちに渡すのが一般的です。遅くとも退職日の数日前までには渡すと良いとされています。ただし、あまり早すぎるのは好ましくありません。退職日当日は、退職祝いを渡すタイミングとしては便利かもしれませんが、当日は片付けた私物を持ち帰るために荷物が多くなりがちですので、避けた方が親切です。送別会を開く場合はその場で渡しても良いでしょう。 親が退職する時に子からお祝いをする場合は、退職日当日もしくは近日中にお祝いするケースが多いようです。退職日当日は、職場での送別会と重なることも多いため、その場合は別日にゆっくりとお祝いすると良いでしょう。退職祝いの方法

メッセージを添えて
退職祝いは、これまでお世話になった感謝の気持ちや、退職される方のこれからの人生が素晴らしいものになるよう願う気持ちを伝えることが大事です。 どのようなお祝いの方法であれ、メッセージカード等を通して感謝の気持ちを伝えましょう。色紙よりもカードが人気!?
寄せ書きと言えば、色紙の印象が強いかもしれません。近年では、真っ白な色紙以外にも、デザインが施された華やかな色紙も多く販売されています。 オンラインでメッセージを集め、色紙にデザインとともにプリントしてくれるようなサービスもあるため、勤務時間がバラバラな職場や離れて暮らす家族が色紙を贈りたい場合には便利です。 最近は、色紙に限らず、メッセージカードで個別にメッセージを贈る方法も人気です。メッセージカードをアルバム等に収納すれば、バラバラにならずに1つにまとめることも可能です。 メッセージカードであれば、色紙をまわす必要がなく、短時間で全員分のメッセージを集めることができます。色紙のように、他者の書くスペースなどを心配しなくて良いため、素直な気持ちが思い通りに書きやすいという特徴もあります。プロに依頼する方法もアリ
インターネットを利用すると、デザイナーやイラストレーターといったクリエイターに簡単に依頼できる時代です。本人の似顔絵つきのメッセージカードを作る際には、こうしたプロに依頼するのも1つの方法です。 ギフト専門店などには、クリエイターが多数在籍するショップもあります。作品のサンプルを見比べて、検討してみてはいかがでしょうか。 なお、こうした依頼の場合、仕上がりまでに時間がかかる可能性があります。退職祝いを行う日までに間に合うかどうか、しっかりと確認しておきましょう。名入れギフトもおすすめ
贈り物として、名前が入れられる品物はよく選ばれますよね。お祝いの時には、名前だけでなくメッセージも加えられるプレゼントが人気です。「いつもありがとうございます」「感謝」など、退職祝いにぴったりのものもたくさんあります。退職祝いのプレゼント選びのコツ

退職祝いの予算はどのくらい?
まず、退職祝いにかける予算についてです。これは、退職される方との関係性や立場、役職、一緒にお祝いする人の有無や人数などによって変わってきます。 ここでご紹介するのはあくまでも目安ですが、安価すぎるものだと角がたつ可能性があり、逆に高額すぎると気を遣わせてしまうかもしれませんので注意しましょう。 上司や同僚、部下への退職祝いの相場から見てみましょう。まず、個人的に退職祝いをする場合、上司や先輩であれば3,000円~5,000円程度、同期や部下には3,000円前後で選ばれる方が多いです。 部署など複数人で準備する場合は、人数にもよりますが、まとめて30,000円程度のものが目安とされています。 親の退職祝いは、個人で用意する場合は3,000円~30,000円程度と幅広く、兄弟等で一緒に準備する場合は1万円~10万円程度が相場となっています。無理のない範囲で退職の理由を把握する
退職理由は人それぞれです。定年退職以外にも、病気の治療のための退職や、家庭の事情での退職など、様々でしょう。 退職する理由が分かれば、より適切なプレゼントが選べたり、メッセージの言葉も考えやすくなります。ただし、中には退職理由を伏せたいと考えている人もいますので、無理に詮索するのはやめましょう。 本人が、退職後の生活について自ら話題にするようであれば、無理のない範囲で聞いてみても良いかもしれませんね。世代や趣味・嗜好を考慮する
退職祝いの品として定番のものを選ぶと、失敗は防ぎにくくなるかもしれません。しかり、本当に本人の喜ぶものを選びたい時は、本人の趣味や嗜好を把握した上で検討してみましょう。 マナー違反にあたるものでなければ、退職祝いのプレゼントの選択肢は豊富です。退職祝いで知っておきたいマナー

熨斗は必要?
結論から言うと、熨斗はつけた方が無難です。特に、上司や先輩など目上の方にプレゼントを渡す時には、必ずつけましょう。 仲の良い同僚に個人的にプレゼントを渡す時は、熨斗をつけずにカジュアルな方法で渡すのも良いとされています。 熨斗の表書きについてですが、退職理由によって適切なものとそうでないものとに分かれるため注意しましょう。どんな場合であっても一番無難なのが「御礼」です。より畏まった形でお祝いしたい場合は、「謹呈」も良いでしょう。 「御祝」や「御退職御祝」などが選ばれることもありますが、これは定年退職など前向きな理由から退職される方に適したものです。リストラ等、本人の意向とは違った形で退職される場合には「祝」という文字が入ると、人によっては誤解を与えてしまうこともあります。そのため、明らかに退職理由がわからない場合は、「御礼」が無難でしょう。 ちなみに、この「祝」というのは、仕事を辞めることへの御祝いではなく、「無事に職務を全うしたこと」や「成し遂げた」ことをお祝いするというポジティブな意味が込められています。 近年では、親しみを込めて「ありがとう」や「感謝」という言葉が使われることもあります。 水引については、紅白の蝶結びが適切です。蝶結びは、何度あっても良いお祝い事の時に使われるものです。よく退職祝いは何度もあってはいけないから結びきりを選ぶと勘違いされがちですが、これは違います。退職祝いは、次の人生の活躍を祈ったり、感謝の気持ちを記すポジティブな意味があるため、蝶結びが適切です。避けるべきプレゼントとは
退職祝いをはじめ、お祝いのプレゼントとしては避けておきたい品物がいくつかあります。一見、実用的で便利だと思われるものでも、相手によっては失礼にあたったり、縁起が悪いと思われる可能性があるため注意しましょう。縁起が良くないと言われるもの
櫛(くし)やシクラメンは、その名前から「苦」や「死」を連想させるため、あまりお祝いには向かないと言われています。また、緑茶についても、香典返しの定番品として定着しているため避けた方が良いでしょう。 ハンカチは、様々な意見がありますが、漢字で書くと「手巾」、「てぎれ」と読むことから、縁が切れることを連想させるため、お祝いの品としては相応しくないとされてきました。失礼にあたるもの
下着等の肌着は、モラルとして贈り物には相応しくないとされます。また、靴や靴下、マット類など足で踏みつけるものも失礼にあたります。 目上の方への退職祝いでは、文房具やビジネスグッズも失礼にあたります。文房具には「勤勉に」という意味が込められるとされ、またビジネスグッズには「もっと働くように」という意味に捉えられてしまう可能性があるからです。 さらに、現金も避けた方が良いでしょう。現金には、「生活の足しにしてください」という意味が込められていると解釈されてしまいます。退職祝いの定番プレゼント

フラワーギフト
花束や、アレンジメントが施されたフラワーギフトは、退職祝いの定番中の定番です。他のプレゼントに添えると、その場がとても華やかになります。予算に合わせて選びやすい点も魅力です。 近年では、プリザーブドフラワーやハーバリウムといった、お手入れ不要で長く鑑賞できるものが人気です。 プリザーブドフラワーは、生花を特別な方法で加工し、長期的に楽しめるようにしたものです。花びらの質感はそのまま残り、その見た目は生花と見間違えるほどです。水やり等のお手入れが不要で、何年も良い状態を保ちます。 ハーバリウムは、透明な液体にプリザーブドフラワーやドライフラワーを入れボトルにしたものです。こちらも手入れ不要で長期的に楽しめます。お酒
お酒も、お祝いの定番と言えるプレゼントです。退職される方がお酒好きであれば、間違いなく喜んでもらえるでしょう。せっかくの機会ですから、誰もが知る高級なお酒など、普段はあまり口にしないものを選んでみるのもおすすめです。 また、近年は名入れ酒が人気です。お酒のボトルやラベルに、退職される方の名前やメッセージを入れて世界にたった1つのお酒にすることができます。癒しグッズ
退職理由を問わず贈りやすいプレゼントです。入浴剤やアロマグッズといった、比較的リーズナブルな価格帯で入手可能なものなら予算控えめでも選びやすいでしょう。また、簡単に持ち運べる大きさのマッサージ家電も喜ばれます。これまでの仕事を労い、体を大切にしてくださいねというメッセージが伝わりやすいギフトとなるでしょう。趣味にちなんだもの
退職される方の趣味に使えるアイテムなら、どんな方にも喜ばれるのではないでしょうか。特に、定年退職などにより自由な時間が増える予定の方にはぴったりです。趣味にちなんだものについては、リサーチできるかどうかが大きなポイントになります。何が欲しいのかさりげなく聞くことができれば言うことはありません。しかし、それが難しいこともあるでしょう。そうした場合は、自分ではなかなか買わないけど便利なもの、必要不可欠なものに焦点をあてて選んでみてはいかがでしょうか。キッチン家電・キッチン用品
料理が好きな方や、結婚により退職される方におすすめです。キッチン家電は便利なものがたくさんありますが、既に所有しているものを贈るとかえって困らせてしまうこともあります。発売されて間もない新商品や、少し珍しいものなどを探してみましょう。おしゃれな有名ブランドのものも喜ばれます。体験ギフト
退職後の人生を満喫してもらいたい、という気持ちを込めて贈るのなら体験ギフトもおすすめです。体験ギフトは、クラフトやアクティビティなど様々な体験ができるチケットのようなもので、気軽に興味のある分野にトライできます。定年退職後、新しい趣味を見つけたい方にはとても便利なプレゼントではないでしょうか。マッサージやエステといった癒しの体験ギフトもあるため、定年退職以外の方にも喜ばれます。関係性別・退職祝いの人気プレゼント

両親への退職祝い
両親へ子どもから退職祝いを贈るのであれば、食事券や旅行券といった夫婦二人で思い出作りができるプレゼントも人気です。退職まで仕事ができたのは、夫婦ふたりが協力してやってきた証しでもあります。お父さんが退職するなら、陰で支えてきたお母さんも労いましょう。もちろん、その逆もありますね。 退職後、これまで行ったことのない場所へ時間を気にせず出掛けたいと考える方は多いです。旅行のプレゼントは、サプライズで計画するのも良いですが、できれば本人の希望を十分に叶えられるように、相談しながら計画しても良いでしょう。もちろん、予算やスケジュールに問題がなければ、家族みんなで旅行するのもおすすめです。上司・先輩への退職祝い
お世話になった上司や先輩が退職するなら、癒しグッズや趣味にちなんだもの、お酒や食べ物などが人気です。現金やビジネスグッズ、文房具は、先程ご紹介したように避けましょう。 これまでお世話になったことへの感謝の気持ちが十分に伝わるような、メッセージカードなどは特に喜ばれます。どんな時にどんな支えになったのか、どんな学びを得たのか、これから自分はどうするのかなどをしっかりと伝えることで、退職される方も安心して次の新たな生活へ踏み出せるでしょう。同僚や後輩への退職祝い
親しい同僚であれば、趣味や嗜好もよくわかっているのではないでしょうか。本人が好きなものが分かっているのであれば、それにちなんだものが良いでしょう。若い世代であれば、転職での退職も十分にありますから、転職先で役立つものを贈っても良いですね。出産に伴う退職の場合
女性なら、出産を機に退職されるケースもあるでしょう。ここで注意しなければならないのが、安定期に入っていてもベビーグッズは贈らないということです。万が一のことを考え、出産前にはベビーグッズを贈らないのがマナーです。人によっては、ベビーグッズの贈り物をプレッシャーに感じる方もいるため注意しましょう。メッセージカードにも、「元気な赤ちゃんを産んでね」などは書かない方が良いです。そのかわり、体を労れる癒しグッズや、新婚であれば新居で使えるものなどが喜ばれます。2020年新型コロナウイルス発生以降の退職祝いはどうする?
2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、人々の働き方や生活が大きく変わりました。職場によっては休業せざるを得ない期間があったり、リモートワークに切り替わり自宅で仕事をすることになったりと、これまで当たり前のように行ってきた仕事が変化しました。 新型コロナウイルスの感染リスクがあるうちは、退職する方へのお祝いの方法も一から検討しなければなりません。 ここまででご紹介したお祝いの方法は、あくまでも新型コロナウイルスの影響を考えていない、一般的なものです。したがって、新型コロナウイルスの感染リスクがあるうちは、避けた方が良いお祝いの仕方も含まれています。 例えば、送別会です。新型コロナウイルスの感染リスクがあるうちは、飲食店等に集まってワイワイと過ごすことができません。リモートワークが中心となっているうちは、プレゼントを手渡すことも難しいでしょう。 政府の自粛要請期間中に退職を迎える方がいた場合、感染リスクを防ぎながら無理のないようにお祝いすることが求められます。直接会えない場合はビデオ通話等でお祝いの言葉を伝えたり、プレゼントを自宅に配達してもらうなどの方法をとらざるを得ないでしょう。2020年の退職祝いのプレゼントには記念日新聞つきの名入れ酒がおすすめ
